本編

case.2

『………ッ!?』目が覚めるとそこにあったのは、見慣れた自室の天井だった。『………はぁ……』寝癖で爆発した髪をぐしぐしと弄りながらアデルは顔を洗うため、浴室へと向かう。見慣れた自室の光景。見慣れた机、見慣れた椅子、ベッドから覗く見慣れた銀髪の頭…いつも…

case.1

ここはどこだっけ。目が覚め、最初に視覚的に感じた印象はそうであった。四方は全て黒く塗り潰されている。ここはどこだっけ。再度、疑問を投げかける。今度は口に出して。だが、全てが闇に閉ざされたこの閉鎖空間ではそんな小さな疑問は飲み込まれていく。…